住まいと暮らしのQ&A

各自がどのような行動を取るべきかを考える「新しい防災訓練」を。

9月1日はご存じの通り防災の日です。1923年9月1日の関東大震災が発生した日です。この日の前後を防災週間とし、各地の企業や学校では防災訓練が行われていますが、残念ながらイベント化され、継続されているように感じます。
ここで改めて、災害が発生した際に何に備え、どんな行動をすべきかを考えてみませんか。

私たちの生活を脅かす災害の種類が増えています

私たちの生活を脅かす災害の種類が増えています。例えば、超大型台風、線状降水帯、ゲリラ豪雨、竜巻、雹(ひょう)、爆弾低気圧、火山噴火、異常高温など、現代にはさまざまな災害が存在しています。これらの災害にどう備えていけばよいでしょうか。
また、災害の後に起こる二次災害にも注意が必要です。火災、火災旋風、津波、洪水、浸水、山林火災、火砕流、がけ崩れなどがあり、これらから家族や我が家をどう守ったらよいでしょうか。
さらに、機能障害や経済的障害などの三次災害にも目を向ける必要があります。考えたくもないことかもしれませんが、現実的に起こる可能性がある空き巣や詐欺、略奪などの犯罪行為や差別も含めて対策を考えるべきです。

災害時に各自がどのような行動を取るべきかを考える

まず、災害の被害を軽減するためには、どんな危険があるかを考え、そのリスクをできるだけ排除しておくことが重要です。
例えば、強風で我が家の物が飛ばされたり、逆に他の家の物が我が家に飛んでくる可能性はないか、飛来物に対しても対策を考える必要があります。
植木鉢や物置などを風で飛ばされないように固定し、また、近隣住宅の瓦などが飛んでくるリスクも考慮し、雨戸、シャッターを閉めることで被害を減らすことができます。
近隣が災害に強い住宅が建ち並ぶ分譲地があると、それだけで災害に強い地域とも言えます。

次に、災害後の暮らしをどう継続するかについて考えてみましょう。家族と連絡はつけられるのか、再会できるのか。救助が入るまでの間のサバイバルが重要です。
まず大事なのはライフラインの確保です。水や食料、そして電源の確保が必要です。停電が起きた場合には、熱中症を避けるための対策も考える必要があります。また、愛するペットのケアも忘れずに考えましょう。

冷蔵庫が停止すれば、一定の期間を過ぎると要冷蔵や要冷凍の食材は溶けてしまいます。劣化した食材は食中毒の原因になりかねません。それらの食材は生ごみになり悪臭を放ち、汚物と共に処理に困り衛生状態が一気に悪くなります。
また、災害のストレスによって認知症やメンタルヘルスの失調が起こることもあり、さらに災害関連の死亡事例も心配です。これらの状況から家族をどのように守るか、対策を考えてみましょう。

そして無収入時期はどのくらい続くのか、収入の不安、職場への復帰可能性など、災害時には多くの不安要素が存在します。また、必要なものを手に入れるための現金、買い物、交通手段の確保も課題となります。

このように、災害時には、さまざまな問題が生じる可能性があります。そうした状況において、老若男女問わず、各自がどのような行動を取るべきかを考えること。この考える力、想定が防災訓練の新しい「カタチ」となるかもしれません。