住まいと暮らしのQ&A

気候変動を見据えた、食卓を支える庭づくり

これまで当たり前のように食卓に並んでいたものが、これからも当たり前に手に入るとは限りません。
温暖化による気候の変化、それに伴う病害虫の増加、また、農業従事者の高齢化などは、農作物の産地にも影響を及ぼしています。例えば、茨城のトマトや徳島のすだち、各地の果物など、地域で親しまれてきた名産品も例外ではありません。これまで食べていたものが「高価になる」だけでなく、「お金を出しても手に入らない」という時代が来ないとも限りません。

美しく「食べる庭」

だからこそ、これからの住まいには「食べるための場所」という視点も必要ではないでしょうか。庭を単なる観賞空間として考えるのではなく、野菜や果樹、ハーブなどを育てられる「食べる庭」に変えていく。小さな家庭菜園でも、食料をすべて自給することはできなくても、食べ物を育てる力を身につけることには大きな意味があります。

例えば、日当たりや水やりのしやすさ、土づくり、収納、雨水の活用など、最初から「栽培する庭」を意識して住まいを計画する。ベランダや小さなスペースでも、プランター栽培という選択肢があります。

そして、土に触れ、植物を育て、収穫して食べることは、単なる食料確保だけではありません。園芸や土いじりは、心身の健康維持や認知機能へ良い影響を与える可能性も研究されています。

温暖化によって「食べ物が変わる」のなら、住まいも変わる必要があります。美しい庭から、美しく、食べられる庭へ。

これからの住まいでは、「何を植えるか」まで考えることが、未来の暮らしを守る小さな備えになるのではないでしょうか。