住まいと暮らしのQ&A

「秋が短い」と感じたら。住まいの工夫と日常のセルフケアを

近年、「秋がない」と感じることはありませんか?
特に今年は、紅葉が見られるのか不安になるほどです。夏の高温によって木々が枯れ、そのせいで一見、色づいているように見えるのかもしれません。
つい先日まで半袖で過ごしていたのに、急にコートが必要になる??そんな季節の急ブレーキは、私たちの身体に少なからず負担をかけることでしょう。

急な寒暖差が招く「寒暖差疲労」

人の身体は、気温差が7℃以上になると自律神経が過敏に働き、疲労や頭痛、肩こり、睡眠の不調を引き起こすといわれています。
さらに気温の低下で免疫力が下がると、インフルエンザやコロナ、風邪などの感染症にもかかりやすくなります。

3つの住まいの工夫で、身体への負担を軽減しましょう

1. 断熱性を高める
窓からの冷気対策としては、内窓の設置や断熱シートの活用がおすすめです。内窓は初期費用こそかかりますが、一度設置すれば夏も冬もエアコンの効きが格段に良くなります。光熱費の削減にもつながるのが嬉しい点です。
また、床や壁の断熱材の見直しも効果的です。
簡易的な方法として、梱包用のプチプチ(気泡緩衝材)を窓に貼るのも手軽ですが、見た目の問題や、剥がれた際の交換の手間はデメリットといえます。

2. 室温のムラを防ぐ
エアコンとサーキュレーターを併用して空気を循環させると、床が冷たく天井付近が暖かいという温度のムラを防げます。エアコンの効率も上がり、快適に過ごすことができます。
さらに、部屋ごとの寒暖差をなくすために、浴室暖房機や脱衣所用のヒーターの設置も検討しましょう。

3. 湿度管理を行う
鼻やのどの粘膜が乾燥すると、ウイルスの増殖を助けてしまいます。湿度は40~60%を目安に保ちましょう。
加湿器を使うほか、濡れタオルを干すだけでも乾燥対策になります。

日常のセルフケアで体調管理を

毎日のちょっとした習慣でも、体調管理の効果は期待できます。
1. 衣類を重ねて、こまめに体温調整する
2. 温かい食事で内臓を冷やさないようにする
3. 適度な運動と入浴で血流を促し、自律神経のバランスを整える

気候の急変を変えることはできませんが、住まいの環境づくりと日々の小さな習慣で、体調を崩すリスクは減らすことが可能です。
季節を問わず快適に暮らせる我が家と、意識ある暮らし方で、冬を健やかに迎えたいものです。
住まいは「暮らす場所」から「身体を守る設備」へと、役割を広げつつあります。