住まいと暮らしのQ&A

想定外に備える、これからの防災

このところ、世界も日本も落ち着く暇がありません。ベネズエラの地震、青森県や山梨県での震度6クラスの揺れ、さらに「W台風」という聞き慣れない言葉まで耳にするようになりました。災害は、もはや「いつか来るもの」ではなく、「いつ起きても不思議ではないもの」になりました。

想定外に向き合うために

これまでの防災は、「想定される災害」への備えが中心でした。しかし近年は、その想定そのものを超える出来事が相次いでいます。「想定外」という言葉は、単なる言い逃れではなく、「想定には必ず限りがある」という現実を教えてくれます。

「想定外」に備えるために必要なのは、防災用品を増やすことだけではありません。「変化に対応できる力」を備えることです。例えば、避難場所が使えなかったらどうするか。停電が長引いたら誰と助け合うか。スマートフォンが使えなくなったら、どんな方法で家族と連絡を取るか。正解を一つ決めるのではなく、二つ、三つの選択肢を持っておくことが、防災への「新しい備え」になります。

もう一つ大切なのは、「個人の備え」から「地域の備え」へ視点を広げることです。非常食や水は自分だけでは限界があります。その限界を補ってくれるのが、日頃からの顔の見える関係です。高齢者の安否確認や情報共有も、そうしたつながりがあれば格段に早くなります。災害時に最も頼りになるのは、最新の技術だけではなく、身近な人とのつながりです。

自然は私たちの都合に合わせてはくれません。だからこそ、「これくらいなら大丈夫」という思い込みを手放し、「もしも」と「想定外」を日常の中に少しずつ取り入れることが大切です。

想定外を恐れるのではなく、想定外に対応できる自分と社会を育てる。その発想の転換こそが、これからの時代に求められる本当の防災なのではないでしょうか。