北海道・三陸沖後発地震注意情報が終了した。しかし私の周囲には、どこか他人事感が漂っていた。見えない緊張が社会を覆うなか、ポジティブでいたい気持ちはわかるが、今回ばかりはそうでもないような気がしてならない。2024年8月の南海トラフ地震臨時情報の時ほど備えをしていない。この慣れや気の緩みが心配です。
酷暑・地震・燃料危機が重なったら
もし今年の酷暑の夏と大地震が重なり、さらにホルムズ海峡の封鎖が長期化していたら、私たちの避難は、従来の想定を大きく超える試練となるでしょう。想定外ではなく、想定して、各家庭で考えておくべきです。
気象庁は2026年4月に、最高気温が40℃以上の日の名称を正式に「酷暑日」と定めました。体温より高い暑さの日です。
まず、酷暑下の「避難所」は、単なる安全な場所ではなくなります。電力や燃料供給が不安定になれば空調は制限され、熱中症のリスクが急激に高まります。水や食料も輸送の停滞で不足しがちになり、特に高齢者や子どもにとっては命に直結する環境となるでしょう。密集環境によりさらに室温は上がり、感染症リスクも依然として無視できません。
一方で「在宅避難」は、物資備蓄と住宅の安全性が前提となります。だがエネルギー供給の制約が長引けば、冷房の使用を控えざるを得ず、こちらも熱中症の危険は避けられません。都市部では水や食料の入手も困難になり、孤立のリスクが高まります。
重要なのは「どちらが正解か」ではなく、状況に応じて柔軟に選択できる準備です。携帯型の電源や水の備蓄、近隣との緩やかな連携など、個人と地域の双方での備えが問われます。複合的な危機の時代において、避難とは単なる移動ではなく、生き延びるための戦略そのものです。
原油や液化天然ガスがホルムズ海峡を通れなければ、エネルギーだけでなく、それらを原料とする製品が手に入らなくなります。第3次オイルショックと名付け、政府には人々の備えを促してほしいものです。韓国は資源安全保障危機警報を「警報」段階に引き上げ、短時間のシャワーや公用車利用の抑制など節約を呼びかけました。タイでは公務員の在宅勤務や階段利用などの省エネ措置が取られ、フィリピンは国家エネルギー非常事態を宣言しました。
日本政府は、経済停滞を恐れているのか。「原油備蓄も含めて十分にある、供給は滞っているだけだ」との政府の見解は、政権安定化の目論見なのでしょうか。少なくとも、国民生活に直結する備えについては、早めに示してほしいものです。





