住まいと暮らしのQ&A

ジメジメ梅雨時の室内干しリフォーム

気象庁によると、今年の梅雨は「大雨」夏は「猛暑」になると3か月予報で発表されました。
また厚生労働省は、屋外では会話が少なければマスク着用の必要はないとの見解を示し、この夏は、大雨、猛暑、熱中症、日焼けなど、さまざまな対策が必要となりそうです。

なかでも梅雨時、特に悩ましいのは
・「洗濯物が乾かない」
・「生乾き臭」
との声をよくお伺いします。

この生乾き臭の原因は「モラクセラ菌」によるものだそうです。
人や動物の口腔、上気道、性器の粘膜にいる常在菌です。通常の洗濯では消えず、乾くまでの時間が長く湿った状態が長く続くと大繁殖して、雑巾の様なニオイを発生させます。

室内干しは、早く乾かすことが大切です。

そのためには「干す場所」や「干し方」がとても重要です。ポイントとしては
・人の出入りの際に、なるべく人に接触しないところ
・来客の目に触れない、風通しの良いところ

乾燥機で手早く乾燥。洗濯物の発火にも注意が必要な場合も。

洗濯機の乾燥機能が便利ですが、乾燥機は、コインランドリーの業務用であれば温度が80~120度になりますが、家庭用の場合、残念ながら菌が増殖しない60度以上の温度になりません。
温水による洗濯は効果的ですが、水量が少ないドラム式の洗濯機以外では水道光熱費がかさむので注意が必要です。
また、乾燥機にかけることで、洗濯で落としきれずにいたアロマオイルや美容オイルが酸化して自然発火するという事故が過去5年間で266件も発生しているようです。ご注意ください。

花粉症対策、防犯対策にもおすすめ「室内干し」専用スペースを。

室内の未利用空間で室内干しができる場所を作ることもできます。
2階の階段吹き抜けは上昇気流が起きやすく、自然な空気の流れが期待できます。天井に物干掛けを設置し、壁掛け扇風機やサーキュレーターなどで風を当て、さらに除湿器を組み合わせていくと効果的。洗面脱衣所やお風呂場も換気扇や天井埋め込み型の暖房乾燥機設置で工夫できる場所です。

専用で室内干し空間を作ることができるのであれば、インナーバルコニーがおすすめです。
南面にある主寝室の一部に、スライドドアなどで間仕切り、調湿素材の内壁、湿気に強いパネル素材などを用いて「洋風の広縁」のような空間をしつらえます。日射とサーキュレーターや除湿器を使い、洗濯物を早く乾かすことができます。
室内干しをすることで、梅雨時だけではなく、花粉症の時期や不在時の取り込み忘れ、防犯対策にも役立ちます。
室内干し空間リフォームで梅雨を快適に乗り切ってはいかがでしょうか。