住まいと暮らしのQ&A

東日本大震災から11年を経て発生した余震を「警報」と受け止めて

東日本大震災から11年を迎えましたが、いまだ余震が起きています。3月16日に発生した地震は、東日本大震災よりも揺れが大きかったと感じる方が多く、しかもその揺れ方により被害規模が違うことが気になります。
東北新幹線の脱線事故は、全線の運転再開まで4月20日ごろと復旧までに相当の時間を要するようです。
地震動には、長周期地振動と短周期地振動と揺れの種類があります。その「周期」とは、揺れが1往復するのにかかる時間のことをいいます。
南海トラフ地震のような大きな地震の際には長周期地震動が起きました。「周期の長い」ゆっくりとした大きな揺れとなり、マンションなど高層建築物では共振により揺れがさらに大きくなります。上層階ほど揺れるので家具の固定により転倒防止の備えが必要です。
一方で短周期地振動は「周期の短い」小刻みに揺れる地震です。地盤が固くなるほど揺れが伝わりやすく、高層階の建物よりも低層階の建物に被害を及ぼします。
阪神大震災がまさにこれで、特に一般の木造住宅が損壊する地震動がキーラーパルスと呼ばれます。

耐震性の高い住宅でも「強い揺れ」にはご注意を。

耐震性の高い住宅でも油断はできません。家の中に配置してある家具や照明器具が大きな揺れによって転倒や落下していないか確認が必要となります。できれば建物全体を客観的に見ることができる「プロによる定期診断」を受けられると良いでしょう。
転倒防止金物の設置方法が間違っていないか、緩んではいないか、下地材に利いているかなど、現在の状態を確認し、不具合箇所を早期発見・早期の対策を施しましょう。
特に寝室では、怪我につながる恐れのある家具の転倒を回避するためにも、置き家具ではなく備え付け収納するなどのリフォームもご検討してみてはいかがでしょうか。

さらに今回の地震では火力発電所の停止が相次ぎました。復旧が遅れる中、寒波到来も加わることで、電力の「需給ひっ迫警報」が初めて発令されました。また、断水も起き、ライフラインに深刻な影響がありました。
普段と変わらない生活に戻す「回復力」いわゆる「レジリエンス力」のある仕組みを構築することも大切だと実感しました。
安全の確保はもちろん、災害後の水や食料、電気の利用などライフラインを確保することが安心につながります。「備えあれば憂いなし」と先人の言葉が響きます。
「在宅避難」のための住まいづくりについて、太陽光発電、蓄電池などの導入もご検討してみてはいかがでしょうか。

東日本大震災から11年を経て発生した余震は、警報と考えてみてはいかがでしょう。防災は他人事の考え方ではなく、想像力を働かせて自分事として考え、「いざ」という時に備えましょう。